犬歯などほとんどの歯が短くなってしまっている症例
主訴
歯が削れているという主訴で来院されました。
所見
視診によってまず歯冠の高さが低くなっている事を確認します。
このことを咬耗(こうもう)といいます。
その後、探針(エキスプローラー)という先端が針の様に尖った器具を使用して、咬耗したところを触ります。
もし、露髄していれば下の写真の様に器具の先端が穴に刺さるのが確認できます。
最後に、確認のために歯科用レントゲンで歯の状況を確認します。
すると、歯の中に入っている歯髄(黒い部分)が歯の表面に開通しているのがわかります。(露髄)
さらに、レントゲンで確認してみると歯根の周囲が黒くなっているのが確認できます。
つまり、この咬耗した歯は、表面に穴が空き、口の中の細菌が歯髄に入り込み、根っこの先に膿が溜まってしまったという事がわかります。(根尖周囲病巣)
上記のことを踏まえ、今回は抜歯の処置をさせていただきました。
硬いものは破折以外にも注意が必要!
この様に、気付かないうちに歯が削れて神経が露出して感染を起こしていたという事も少なくありません。
中型犬や大型犬の犬では特に気をつけていただきたいと思います。
ボールで遊ぶ時はゴムボールなど表面の材質が硬くないものを選んで遊びましょう💡
もちろん、誤って飲み込んだりしない注意は必要です。
咬耗についての詳しい説明はこちら